ふるさとの朝

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油絵 F8号 キャンバス 横455×縦380
2018.4制作

若いころには意識しませんが歳を重ねるにしたがい思い出すのが「ふるさと」です。

今は開かれた大地ですが、ここに開拓者が足を踏み入れた時は原始林でした。117年前に入植した時には森林が聳える上に狭い空が見えたのでしょう。

上士別町かみしべつちょうは明治35年に開拓者の入植がはじまりでした。明治37年には奈良の十津川村から吉野団体が2年にわたって大移動してきました。

私の祖先は大正2年2月に十津川村から、先人の伝手で子ども8名を連れて入植しました。今は開かれた農地が広がる大地ですが、当時は樹木に遮られ電灯もなく日が上がれば開墾がはじまり、日が落ちれば寝床に入る毎日だったのでしょう。

当時の夕陽は森林の上に沈んだのでしょう。同じ場所で夕陽を描いた作品もあります。この場所から4点描いています。入植者は五町歩を五年で開拓を終えると自分のものになりました。東京ドームよりも広い土地ですから夢は大きく膨らんだと思います。

 

ふるさとの朝焼け